二条辻地蔵尊(歓喜寺地蔵尊)と弘法井戸館

 近鉄大和西大寺駅から府道谷田矢田線を東に平城京大極殿との中間点辺り、府道奈良精華線との交差点に地蔵堂が2つ存在します。

 地蔵堂のお地蔵さんは、花崗岩から掘り出し高さ190cmの舟形光背を背負って蓮華座上に立つ像高140cmの地蔵菩薩立像は鎌倉時代後期の作とみられ、奈良県でも屈指の秀作として知られているそうで、両脇には小さなお地蔵さんが祀られていました。

 弘法井戸館の方は、左に1547年銘の五尊板碑、室町時代の不動を中心とした四方仏を表現したそうで、中央の頭部山形板碑には阿弥陀立像とその上部には梵字が刻まれています。

 弘法井戸館名称の由来と思われる地蔵尊像前の枯れた井戸は、塞がれていて跡には拝石が置かれています。

 

左に弘法井戸館、右は地蔵堂f:id:jotoyumekoi:20210815205600j:plain

 道路の真ん中なんで両サイドには頑丈なコンクリート側壁が据えられています。

左コンクリート側壁の内側。f:id:jotoyumekoi:20210815205623j:plain

弘法井戸館、井戸跡には拝石。f:id:jotoyumekoi:20210815205611j:plain

二条辻地蔵尊f:id:jotoyumekoi:20210815205635j:plain

秋篠川

 平城宮跡歴史公園での「ツバメの塒入り」観察に向かう途中、大渕池を源流に奈良県北部を流れる大和川中流部・佐保川の支流「秋篠川」。

 「秋篠川」平城京造営に合わせて直線的に付け替えられ、平城京への物資の輸送路として「西の堀河」とも呼ばれていました。

 今では川沿い1km以上に渡り美しい桜並木が広がり、2010年10月 秋篠川に舟運を復活させるプロジェクトがすすめられ「秋篠川舟下り」が社会実験として実施されてます。

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西大寺橋から「秋篠川」。f:id:jotoyumekoi:20210814055206j:plain

西隆寺・回廊跡遺跡

 平城宮跡歴史公園での「ツバメの塒入り」観察では近鉄奈良線大和西大寺駅を下車、そのまま東に平城京跡に向かいますが、向かう途中に駅前開発で発掘され和同開珎出土でも良く知られた「西隆寺遺跡」が保存されています。

 「西隆寺」は、現存する僧院の「真言律宗総本山・西大寺」に対する尼寺として西大寺創建の6年後770年に創建され、南都七大寺の寺格を有する西大寺に続く格式を有した官寺で有った様です。

 回廊遺跡の場所は、大和西大寺駅北口を出て道路を東に渡った商業ビルの裏に成り奈良文化財研究所の紹介ビデオに沿って歩きますが、紹介されてた塔跡に行く目印のみずほ銀行西大寺支店が3月に移転していて気が付かず見落としていて少し残念です。

 このリンクから奈良国立文化財研究所が1976年に発行した 詳細な「西隆寺発掘調査報告書」がDL出来ます。

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赤丸の部分が保存されています。f:id:jotoyumekoi:20210814045737j:plain

案内板赤丸の角の部分。f:id:jotoyumekoi:20210814045726j:plain

外側、ここも遺跡の一部。f:id:jotoyumekoi:20210814045748j:plain

天神橋から『天神祭』

 今日は7月25日、大阪天満宮天神祭「本宮祭」、例年ですと「陸・船渡御」が始まる時間、暫くするとまだ明るさの残る夏空に花火の音が響き出す頃ですが、今年も昨年同様新型コロナ禍のため神事だけの斎行で、何時もなら大阪天満宮に向かう人並みで溢れ返ってる天神橋は人影も疎らで日曜日と合って車の通行量も少なめの天神橋ですが、北詰の一角に人が集まってて皆さん橋の袂にカメラを向けていて神職祝詞の声も聞こえてきます。

 交番の裏ですが公園入口には縄が張られガードマンが中に入れてくれないので良くは分かりませんが、天神橋の袂では天神祭の神事が執り行われている様でした。

 しかし今年は4連休と重なっていて、新型コロナ禍が無ければおそらく相当な人出の天神祭に成ったでしょうね。

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東洋陶磁美術館・特集展『柿右衛門-Yumeuzurasセレクション』

 特別展「黒田泰蔵」と同時開催の特集展「柿右衛門-Yumeuzurasセレクション」

 関西在住のコレクターが収集された柿右衛門様式の「Yumeuzurasコレクション」、「鶉文様」の掌に収まる様な小さな作品を中心に構成展示されています。

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【東洋陶磁美術館】特別展『黒田泰蔵』

 ビジュアルデザイナー・黒田征太郎さんの弟で1980年に帰国するまで北米中心に活動、帰国後1984年渋谷パルコに自作直販店の「ショップTAIZO」を構えある程度の成功を収めた後1987年に「ショップTAIZO」は閉鎖、1991年に静岡県伊東市にアトリエを移設して以降は白磁による制作活動に移り、その白磁作品約60点が展示された特別展「黒田泰蔵」

 制作作品が白磁に移ってからは、道具としてではなく純粋に芸術作品としての造形の作出で「イエスとノーの間の言葉」に例えて自作品を表現されています。

 昨年11月21日からの会期で、途中2回ほど新型コロナ禍での東洋陶磁美術館緊急事態閉館期をはさみ、会期終了近くに4月13日の黒田泰蔵さん訃報も伝わり、今日7月25日が最終日で4連休と重なってか多くの入館者で賑わってます。

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【大阪歴史博物館】第137回 特集展示『豊臣秀吉ゆかりの品々』

 大阪歴史博物館第137回 特集展示「豊臣秀吉ゆかりの品々」です。

 全体が時代別に3部構成に成っていて、第三章の「近代大阪と秀吉」が面白い切り口で楽しめます。

 今回は二人連れで古文書などユックリ閲覧出来ませんので会期が8月30日迄との事なのでもう一度来て見ようかなと思っています。

 今回の展示物は、古文書や古典籍、戦前戦中の古書が多くて撮影禁止なので写真はこれだけ。

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『太閤園』営業終了です

 明治関西財界の大御所・藤田伝三郎男爵の邸宅跡地2万5000㎡を超える(約7600坪)総面積に日本庭園や築100年余りの料亭「淀川亭」などが存在し格調高く地元にも親しまれた「太閤園」6月30日で営業終了してます。

  私も以前は年に何度か利用させて頂いてた事も有ったので、結構愛着のある場所ではあります。


www.youtube.com

 気になる跡地利用ですが、4月2日に朝日新聞デジタルなどで売却先が創価学会で有る事が報道され、それを受けた形で4月21日付け聖教新聞に学会創立100周年記念事業として「関西池田記念大講堂」を建設する計画が公表されてます。

 処で、創価学会の購入価格に付いては推定390億円と一部で報道されていて現在の周辺不動産相場からはかなり高めの価格で、広大な築山式回遊庭園や淀川亭など一部建物の文化財的価値を上乗せされてるんではないかと推察されていて、で有れば現在の建築構造物はかなりの部分が継承される可能性も有りそうでなんとなく期待させてくれますが、太閤園の様に見事なお庭を無料で一般公開までは無理でしょうかね。

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四脚門造りの正門。f:id:jotoyumekoi:20210712215942j:plain

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