年2回春と秋に内部一般公開される神戸市中央区の都市公園「相楽園」内の国指定重要文化財「船屋形」見学会です。
元々は姫路藩で使用されていた川御座船で、運用したのは姫路藩の水軍「御船手組」、藩士200人で構成され18世紀中ごろには、海船53隻、川船23隻を擁しうち8隻が川御座船だったとの記録が残り藩主が交代しても引き続き姫路藩に仕える「城付き」という特殊な組織だったそうです。
その御座船の屋形部分を移築した物で、幕末には飾磨港(姫路港)に浮かんでいた川御座船を移築する際、船体部分を取り壊し屋形だけを移築、屋形部分も大幅な改変を受け前半部分のみが茶室として使われていたものを牛尾 健治氏が全体形を資料に基づき垂水区に復元移築、その後相楽園に移築され現在に至り、川御座船としては現存している唯一の船屋形、全体が春慶塗と云う総漆塗り仕上げで維持には大変費用が掛かると学芸員の解説です。
今回の見学会は「朝鮮通信使川御座船を考える会」のメンバーが往復はがきで事前申し込みされていて連絡を頂き参加させてもらってます。
相楽園。
池越しに「船屋形」。
後半部分は復元されて継ぎ足されたことに成ってますが、復元の考証レベルは非常に高いそうです。
時間待ち。私たちのメンバー以外も数名来られてます。
2班に分かれ私たちは2階部分を先に見学。
家臣が控えてた「次の間」。内部もすべて春慶塗。
「床几の間」。指揮者の着座位置だそうです。
幾多の変遷を示すように三家の家紋が上彫りされているそうです。
「上段の間」。御座船なので床が設えて有ります。
1階へ下ります。
古色仕上げで少し色を付けて有るそうですが、春慶塗の特徴が良く出てる1階の天井部分。
壁下部の白い部分は嵩上げされた部分で、本来船に乗っている時の天井はかなり低くて1階は物入れかバラストが積まれて居た様です。
屋外展示には維持管理の費用がかなり掛かるそうで、それならレプリカを制作展示、本体は屋内展示に切り替えた方が長い目で見れば安く済むように思いますがどうでしょう