大阪歴史博物館 特別展『100周年記念 大阪の米騒動と方面委員の誕生』

 1918年大阪府で方面委員制度が発足、1928年には全国に普及、戦後1946年GHQにより民生委員令の公布により役割は民生委員に引き継がれましたが、大阪府で発足以来今年で100周年を迎えその記念特別展です 。

 第一に、米騒動前から事業を始めていた様々な社会事業施設の活動。

 第二に、大阪での米騒動の発生から収束までの過程。

 第三に、創設期方面委員による活動の実態。

 以上の三部構成で方面委員制度が全国に普及する切っ掛けとなった米騒動のエピソードなどから、貴重な写真や公文書、方面委員の遺品なども紹介しながら方面委員の活動を明らかにしていきます。

 全体の内容は貧困階層の救済事業紹介に重きが置かれ、米騒動が制度発足の発端となった事も有って治安維持なども目的とした住民調査など、戦後GHQから批判され民生委員制度への転換要因とも成ったと言える封建的で体制擁護的体質にはあまり触れられていないのには残念な気もします。

 処で、会場に入って最初の展示に天保年間の「浪花持丸ほどこし鑑」「浪花施行鑑」と題した瓦版と相撲番付の様な見立番付が展示して有り、大坂の豪商たちが幾らの金額を貧民救済に寄付したかが分かるよう番付表に著されていて、これに記載がないとその豪商は民衆による打ち壊しの対象とされたのだそうで、形態は少し違いますが正に江戸時代には無かった商行為に対する租税徴収の様な事が行われていたんですね。

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会場内撮影禁止の為写真はここまで。f:id:jotoyumekoi:20200601054313j:plain