【ピースおおさか】6月のウィークエンドシネマ『ワルシャワ蜂起』

 「ワルシャワ蜂起」と言っても日本人は知らない方の方が多いと思いますが、1944年8月ポーランドの首都ワルシャワで起こったポーランド国内軍の大規模な武装蜂起で、期待していた数キロ先まで到達していた赤軍の支援は全く受けられず、それどころか米英などの支援に対する妨害行為なども散見され2万以上を数えたポーランド国内軍は壊滅、市民20万以上が犠牲になるという悲惨な結果に終わった武装蜂起ですが、その戦闘中ワルシャワ市内でポーランド国内軍の映画班が撮影したニュース映像を軽く着色して85分にに纏めたのが本作品で、DVD化もされて無い様で見れる機会もそう無いと思う貴重なドキュメント映画だと思います。

 「ワルシャワ蜂起」の映像化と言うとアンジェイ・ワイダ監督の「地下水道」が有名で、カンヌで審査員特別賞を受賞した名画なんですが子供の頃見た記憶が有り、最後の方に出てくる今で言うとドローン戦車とでも言うのかなドイツ軍の親子戦車「ゴリアテ」の記憶だけが鮮明に残ってます。

 本作品でも捕獲したへッツァー戦車の修理場面や、英軍が投下した支援物資の中のピアット対戦車擲弾発射器やその擲弾を組み立ててる様子なども映されてて興味深くは有るんですが、戦死した兵士や市民、虐殺されたと思われる折り重なった数百の遺体映像なども挿入されていて、攻撃部隊にはカミンスキー旅団や第36SS武装擲弾兵師団といった戦闘より略奪や暴行虐殺にしか興味の無い素行の悪い部隊が加わっており、国内軍側もそれに対する報復として捕虜のうち武装親衛隊員や外国人義勇兵はその場で射殺されると言う凄惨な戦いだった様で、淡々とした映像中にも緊張感が感じさせられます。

 「ピースおおさか」では、4月16日から7月14日まで「ワルシャワ。灰の中から蘇る不死鳥」と題した特別展示が継続中で、ウィークエンドシネマも5月から7月までポーランド関連が続きます。