大阪歴史博物館・2018年度 金曜歴史講座 第175回『マジョリカ陶器の栄枯盛衰物語』

 本日の大阪歴史博物館・金曜歴史講座は「マジョリカ陶器の栄枯盛衰物語」。

 ルネサンス期イタリアで発達したマジョリカ陶器は、素地に錫白釉をかけ上絵付けをした軟質陶器で、錫白釉を用いる技法はイスラム陶器に始るとされ、その技法がイベリア半島経由で南ヨーロッパにもたらされマヨルカ島を経由して輸出されたのでマジョリカ,マヨルカ,マリョルカ,マジョルカとも呼ばれる陶器です。

 講師の松本・大阪文化財研究所学芸員が内平野町の発掘現場から出土したマジョリカ陶器に興味を持ち、その制作場所や制作年代をヨーロッパで調査したのが研究テーマの始まりだそうですが、大航海時代が開始されて以降東アジアの景徳鎮などの磁器、特に日本の伊万里などが輸入されだすとマジョリカ陶器などの錫白釉の高級陶器はそろって衰退、オランダのデルフト陶器などは景徳鎮や伊万里の磁器かと思わせるほど精巧な写しを作り出し、その後18世紀以降ドイツのマイセンで磁器製造法が確立されヨーロッパでも磁器が作陶されだしますが、マジョリカ陶器はカトリックとの結びつきが強くヨーロッパ独特の文様と技法を残し現在でも作陶され続けています。

 そこでだれがどの様に日本にマジョリカ陶器をもたらしたかですが、時期的にも天正遣欧少年使節辺りかなと云うのが松本・大阪文化財研究所学芸員のお話でした。

 

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