【ピースおおさか】2月のウィークエンド・シネマ『ラストメッセージ~ “不死身の特攻兵” 佐々木友次伍長~』

 新年からの「ピースおおさか」は、1月から4月まで特攻特集となっており、ウィークエンド・シネマの2月特集は「ラストメッセージ~ “不死身の特攻兵” 佐々木友次伍長~』」

 直接の原作とされているのは、鴻上尚史さんの「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか(講談社現代新書 2017)」の様ですが、私は鴻上本の元本ともいえる高木俊朗さんが1975年(上巻)1975年(下巻)に著した文芸春秋版のハードカバー上下二巻組を各刊行年に購入していて、十代後半軍用航空機マニアを自認していた頃で欠陥や欠点ばかりが強調される旧軍内に有って軍上層部はともかく現場指揮官の中には各務原航空廠の竹下少佐や佐々木伍長の直属上官である岩本大尉の様な科学的合理性に基づいた判断の出来る指揮官の存在が極めて新鮮で、上下巻ともに一気に読み終えた覚えが有ります。

 しかも旧陸軍航空隊内空中勤務者としては最下級とも言える佐々木伍長が尊敬する岩本大尉の命令を正しく理解し最後までその命令を守り通せた事実には、岩本大尉の様な科学的合理的判断に協調できる将校連中も旧軍内に少なからず居たんだなと思わせ、その様な方たちが戦後日本の高度成長を担って居たんだなんて想像させます。

 この日はお天気上々で三連休の中日、ウィークエンドシネマも満席で館内の特攻関係展示も賑わってましたが、今回のピースおおさか・特攻特集、より多くの方々が来られると良いのにな~と、思いながら退館しました。