大阪歴史博物館・2018年度 金曜歴史講座 第174回『梅田墓を掘る』

 以前は有料(資料代200円)、年何シーズンかに分けて開講されていた大阪歴博の金曜歴史講座も今年から無料、1シーズンにまとめて開講され、その3回目通算 第174回「梅田墓を掘る」。

 江戸時代30万~40万人の人口を抱えていた大坂の町は死者の埋葬も大問題で、大坂市街地周辺には何カ所か埋葬地が設置され世に言う「大坂七墓」で、現存するのは「蒲生」と「南濱」の二カ所だけで規模は江戸時代とは比べ物に成らないくらい小さく成ってますが墓地として現在も使用され続けています。

 その「大坂七墓」の内、墓石だけが数基残されていた「梅田」墓が大阪北ヤード再開発に伴って更地化され発掘調査が行われ沢山の人骨を含む多くの埋蔵発掘物から謎に包まれていた梅田墓の一端が明らかに成って来ました。

 早くから浄土真宗信徒を中心に火葬が盛んに行われていた大坂ではこのような集団埋葬も可能だったんだと思いますが、焼骨以外にも桶や甕棺、方棺による土葬も盛んに行われて居た様で200年以上も稼働していた墓地での埋葬方法の変換なども窺い知る事が出来、狭い敷地を有効に利用というか古い埋葬地を再整地して新たに埋葬なんて事も行われて居た様です。

 それで気に成るのが今後の保存などですが、一切発表がなく、おそらく人骨や副葬品など発掘された一部を除き埋め戻されビルの谷間に石碑が置かれる位なのかな。

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