大阪歴博・第142回 特集展示『戦争と福祉・ボランティア -田中半治郎の遺品から-』

 大阪歴博では、陸軍歩兵第八聯隊入営中日露戦争に従軍し、除隊後方面委員を務められた田中半治郎(1882~1930)さんと云う方の遺品を所蔵していて、今と成っては貴重な遺品の数々が展示されています。

 方面委員と云うと現在の民生委員と対比されますが、方面委員は米騒動の後大阪で生活困窮者救済や地域の社会福祉事業を目的とする名誉職委員として発足してますが、任命され活動されていた方々の前職は退役軍人か退職警察官が多く、やはり情報収集などの役割を担っていた可能性は否定されず、戦後GHQによって隣組などと共に解散させられ、欧米のソーシャルワーカー的概念を取り入れ新たに発足した民生委員制度とは、似て非なる制度では無かったかと私は思っています。